加害者(バタラー)の特徴

DVの原因は「ストレス」ではありません。 (加害者である)あなたは職場でストレスがあった際、
職場の人に暴力をふるったでしょうか? 

DVの原因は、「ストレス」でも「怒り」でも「お酒」でも「相手の言動」でもありません。
相手を自分のコントロ−ル下に置こうとする「支配」が原因です。
もちろん、「身体的暴力」だけが暴力ではありません。「精神的・性的・経済的・社会的」な支配も暴力です。
何かのせいにしているうちは、自分に問題があるということ自体に気づいていないということです。

(※加害者=男性という表現があることは、このHPが女性当事者を対象にしている性格上及び参考文献の
 関係上、ご理解ください。)

    DVは、「一部の特別な人々」のあいだで起こる出来事ではありません。
  学歴・職業・社会的地位・年収などに関係なく、あらゆる階層・地域に起きている
  問題です。  
  言いかえれば、「いつ、どこででも、誰にでも起こる可能性がある」ということ。
  「あなたの身近で」、いえ、もしかしたら「あなた自身に起きているのに自覚がない」
  だけかもしれません。                            
   
    暴力をふるう加害者(バタラ−)の特定は出来ませんが、共通する行動パタ−ンと
  性格傾向があることがわかってきました。
 (1)嫉妬深さ  (8)動物や子供への残虐性
 (2)支配的な態度  (9)性的虐待
 (3)性急でせっかちな行動  (10)言葉による暴力
 (4)相手への過剰な期待と依存  (11)厳格な性別役割意識
 (5)孤立化と拘束  (12)ジキルとハイド、内と外の二重人格性
 (6)他人の前で恥辱を与える  (13)脅迫的言動
 (7)傷つきやすさ、神経過敏  (14)物にあたる

(以上、#1より引用)

 
 (1)嫉妬深さ 
    「嫉妬」は愛情と誤解しがち。『そんなに私のことを思っていてくれるなんて・・・』と。
  友人との付き合いを制限したり、何度も電話をかけて家にいるかをチェックする。
  それははたして愛情でしょうか?
  単に相手を完全に所有したいという独占欲に過ぎません。
  そして「所有物」という、「物」扱いされているということです。
 
 (2)支配的な態度 
    妻も子どもも自分の支配下におく。 子どもへの体罰は「教育的しつけ」と。
  自分が子どもの頃を思い出してみてください。 
  親からの「体罰」で得るものはありましたか? ただ恐怖のあまり「ゴメンナサイ」
  を繰り返すばかりではなかったでしょうか???
    妻に対する暴力も「いたらぬ妻のしつけ」と言います。 「しつけ=礼儀作法を身に
  つけさせること(広辞苑より)」  「茶碗の置き方が気に入らない」「物音をたてた」etc.
  「いたらぬ妻のしつけ」と彼らが称する一例です。 それは「しつけ」でしょうか?
  それ以前に、対等な関係に「しつけてやる」という発想は起こらないと考えます。 
 
 (3)性急でせっかちな行動
    強引な行動を愛情と錯覚させたり、結婚させなければ〜すると脅迫する、自殺する
  と脅すなどをいいます。
 
 (7)傷つきやすさ、神経過敏  
    自分が受ける侮辱には異常なほど敏感で、激怒します。 
  他人の痛みには全く気づかないのに・・・
  「俺を馬鹿にしやがって」が決り文句で、いらいらしているときは、全てが怒りの引き金
  になります。 何をしても、逆に何もしなくても気に入らないと。 
  妻はただビクビクと顔色を伺いながら暮らす日々。
 
 (9)性的虐待 
    力づくの有無を言わさぬsexが、男らしいやり方だと信じ込んでいます。
  暴力行為のあと、sexさえすれば仲直りが出来ると思っており、また、「sexは妻の
  仕事のうちだ」と強要。 「無料トイレだ」と言われた人もいます。 
  避妊に協力しないというケ−スも多く、心身共に傷つくのは女性側だけ。
 
 (11)厳格な性別役割意識   
    典型的な男尊女卑。 「男尊女卑」の「卑=身分や地位が低い」ということ。
  (広辞苑より)
  女性というものは、夫につかえるために、ちゃんと家にいるものだという意識。
  「妻を働きに出すのは俺の甲斐性がないと思われる!」「子育ては妻の仕事」
  「誰のおかげでメシが食えるんだ」 などと言ったことはありませんか?
 
 (12)ジキルとハイド、内と外の二重人格性
    社会生活の場では、信頼される人物であることが多く、「あんなに穏やかな良い
  ご主人が・・・」と、誰も妻の言うことを信じてくれません。 また、警察・裁判所に
  おいても受けが良く「こんなに反省しているのだから」と、充分な制裁が行われない
  ことも問題だと個人的には思っています。
 
 (13)脅迫的言動 
    「今度逆らったら殺されると思え」 「逃げられると思うな。
  何処までも追いかけてやる」 など。
        
  また、デ−ビット・アダムス氏(#2)は、「7つの特徴」を挙げています。
 (1)公の場と家庭内における行動の違い  (5)嫉妬と所有欲
 (2)暴力の否定  (6)子供の操作
 (3)責任の転嫁  (7)更正に対する拒否
 (4)コントロ−ルするための戦略

(以上、#2より引用)

 
 (1)公の場と家庭内における行動の違い
   外での評価は「いい人」「真面目」「面倒見が良い」などのケ−スが多い。
  そのため、勇気を出して相談しても、「妻の方が悪いのでは?」と公的機関だけ
  でなく、親兄弟・友人にも言われる。 「妻が精神的異常」と言われたり、別れた
  あとですら、「悪妻だったそうよ」と言いふらされ、行き場のない想いをしたりする。
 
 (2)暴力の否定
   「暴力」「加害者」という自覚がないため、虐待の事実を否定する。
  「たいしたことはしていないのに」と逆に意外な顔をする。
 
 (3)責任の転嫁
   「妻がそう仕向けた」「酒のせい」と責任転嫁し、逆に自分が被害者だと考える。
  (「酒」は「暴力のきっかけ」ではあっても「原因」ではない)
 
 (4)コントロ−ルするための戦略
   妻の自尊心を傷つけ、周囲から孤立させることにより、「頼る者は夫しかいない」
  状況にし、意のままに操作する。
 
 (5)嫉妬と所有欲
   妻を自分の所有物と考えており、別れ話を口に出すと、逆に嫉妬が増悪しスト−
  カ−と化す。別居や離婚後でさえ、その状況が続く。
  相手はいつまでたっても「自分の所有物」であり、それが「勝手な行動を取ること」
  を許さないという考え。
 
 (6)子供の操作
   子供への直接的な暴力(DV当事者のうち子供がいる女性の約3分の2が、子供
  への暴力も同時にあったと回答・・・#3の調査結果より) 子供への暴力を
  目の当たりにすること、それを止められないことによる精神的暴力・無力感、
  その他、母親の行動を監視させたり、スパイ・人質として利用する。
 
 (7)更正に対する拒否
  加害者意識がないため、当然更正しようという意志はない。
   
  
【引用・参考文献】
#1 女のスペ−ス・おん ブックレット : 『男たちはなぜ暴力をふるうのか』 1998
#2 米国ボストンのバタラ−カウンセリング機関「エマ−ジ」の創始者
   (「女を殴る男たち」・・・梶山寿子 著(文藝春秋)より)
#3 「夫(恋人)からの暴力」調査研究会 : 『ドメスティック・バイオレンス』
                                       有斐閣 1998


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